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| 30オゾン層の破壊が深刻さを増しつつある現在、その主たる原因物質と目されているフロンガスの規制が世界規模で検討されている。これは周知の如く、通常はオゾンが紫外線をカットしているが、 オゾン層のオゾンが希薄になることにより紫外線照射が強まり生物に対して悪影響を及ぼすためである。 |
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| この影響は特に南半球や日差しが強い地域において深刻と言われており、因みにカリフォルニア辺りではテレビにより紫外線情報が放映されている。これは勿論皮膚癌患者が急増しているためである。 |
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| 紫外線はその波長によって区別されており、295−320nmの波長をUV-B、320−400nmを UV-A と称する。大部分の紫外線はオゾン層によりカットされているが、完全ではなく当然ながら地球上の生物は紫外線照射の影響を受けている。このような条件下で生体に対して紫外線はどのような悪影響を及ぼし、皮膚癌の発症率を上げているのであろうか。 |
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| DNA に紫外線照射(254nm)を照射すると DNA 中の隣り合ったチミンがサイクロブタンチミンダイマーに、同様にピリミジンがサイクロブタンピリミジンダイマーへと変換して2本鎖 DNA の片方の鎖に損傷が起こる。この損傷が引き金となって細胞の死や変異の誘発が起こり発癌等を惹起する。 |
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それでは、紫外線により損傷が起こった場合は必ず細胞死や変異の誘発へと進展するのであろうか。この点に関しては否である。動物、微生物、また、植物までも損傷部分を除去し、修復するシステムを持っているのである。
このように DNA 修復に関与する酵素を UV エンドヌクレアーゼと称する。UV エンドヌクレアーゼは2本鎖 DNA の片方に起こった損傷部分、すなわち上述のようなサイクロブタンチミンダイマー等が存在する部位が正確に確かめられた時点で損傷部分を中心に数塩基が切断される。 |
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| その切断部分の修復は DNA ヘリカーゼ、続いて DNA ポリメラーゼが働き元の2本鎖 DNA が再生される。よってこれらの酵素をリペヤー酵素と呼ぶ。先にも述べたが、修復システムは生物全般に共通したものである。これは生物が紫外線の害を受け続けてきたという事実を物語っているといえるであろう。 |
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| 近年、発癌抑制成分のアッセイ法として2段階法が確立された。すなわちイニシエーターをマウスの背中の皮膚に塗り、次にプロモーターを塗ることにより皮膚癌を発生させる系である。このアッセイ系によって多くの植物から多様な活性成分が見い出され、単離構造決定がなされ、また、有効な漢方薬の探索がなされている。 |
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| これらは皮膚癌の発生を予防する可能性を秘めた重要な化合物群であるが、その作用メカニズムについては不明な部分が多い。 |
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| 紫外線照射による皮膚癌の発生を阻止するためにはリペヤー酵素の関わりが必須であるが、上記の発癌抑制成分の中には当然リペヤー酵素とリンクした物質、スカベンジャー物質、紫外線吸収阻害物質等、いろいろな作用を持つものが混在しているものと推察される。これらのうち、特にリペヤー酵素に絡んだ化合物は紫外線による皮膚癌発生阻害と深い関係を持っているため、今後の研究の発展に興味が持たれる。 |
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| 正山 征洋 |
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(しょうやま・ゆきひろ) |
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| 1943年 |
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4月21日生まれ |
| 1968年 |
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九州大学大学院薬学研究科修士課程終了、同助手 |
| 1974年 |
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薬学博士(「大麻に関する生物学的研究」九州大学) |
| 1975~76年 |
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米国ボストン マスゼネラルホスピタル(MGH)博士研究員(脳内スフィンゴロピッドの代謝研究) |
| 1978年 |
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九州大学薬学部助教授 |
| 1991年 |
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同教授 現在に至る |
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| ●研究分野 |
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大麻に関する研究(カンナビノイドの生合成酵素の単離と遺伝子クローニング)
植物由来活性成分に対するモノクローナル抗体の作製とその応用
植物細胞 ・組織培養および外来遺伝子導入による薬用植物の育種研究、生理活性成分の探索研究 |
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| ●趣味 |
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野生ツツジおよび化石のコレクション |
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