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| 医師になって3年目にひとりで関連病院に勤務することになりました。朝外来に向かいながら、この病気だけは来ないでほしいと考えていたものです。それは、広範囲熱傷、壊死性筋膜炎、中毒性表皮壊死症(TEN)・・・・。結局その病院では広範囲熱傷だけを経験しましたが、幸いに(?)にしてTENの症例は来ませんでした。 |
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| 1998年に、TENはアポトーシスを誘導するレセプターにシグナルが入り表皮細胞が壊死することで発症するとScience誌に報告がありました。これでTENの原因がわかったので劇的に臨床での診断・治療も変わっていくんだなと当時興奮しました。しかしよく論文を読んでみると、そのレセプターにシグナルを入れるもの(リガンド)が表皮細胞自体に発現していることになっていたので違和感を覚えました。じゃあどうしてリガンドがでてくるんだろう?薬剤がタンパクの発現を誘導するんだろうか? |
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| 自分なりには、病変部において浸潤細胞(CD8陽性細胞含めて)が非常に少ないので炎症細胞が病変部において発症を誘導するのは合わない。それに急激な発症・進展する臨床症状からも恐らくは血中に流れる液性因子が原因ではないかと予想してました。 |
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| Science の論文の中に、リガンドが切れて可用性になったものが血中にあるというデータが載っていて、一方可用性になっても機能は維持されることは報告されていたので、この可溶性のものが原因そのものなんじゃないかと予想しました。ただその頃は、この手の分野の研究はしてなかったので、早々に可用性が原因だという論文が出るんだろうなとみてたのですが、予想に反してまったく出ませんでした。じゃあ自分でやってみようかと思って2001年に始めました。(論文出ないのは、私の予想がまったく外れているから、または実験が難しいから、などなどではと不安でしたが)幸いにして、だいたい予想に沿う結果が出て2003年に論文にもまとめることが出来ました。その後当科の清水教授に後押しされて、全国の先生方に検体提供をご依頼して症例を増やして臨床経過との関連を見ており、面白い結果も出ています。 |
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| しかし、これは純粋に臨床に直結した研究ですので、臨床に寄与できる結果が出なければなりません。まずは迅速診断キット(インフルエンザの検査のようなもの)を作ろうと、検査会社と協力して画策しましたが、検出感度の問題で残念ながら断念しました。今は検査依頼(特にTENになるかどうかわからない症例)は検体到着次第当日中に結果を出して報告しております。中には検査結果から今後まだまだ進展する可能性が高いと連絡して、その通りに経過をたどった症例もあり、わずかですが寄与できてるのではと思っています。これも検体提供にご協力していただいた先生方のおかげと感謝しております。 |
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| 最終的にはなんとか治療法も開発できないかと考えていますが、まだまだ道のりは遠そうです。 |
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| 阿部 理一郎 |
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(あべ・りいちろう) |
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| 1994年3月 |
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北海道大学医学部医学科医学専門課程 卒業 |
| 1994年4月 |
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北海道大学医学部附属病院皮膚科 |
| 1998年9月 |
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米国ピコワー医学研究所 研究員 |
| 2002年4月 |
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北海道大学病院皮膚科 助手 |
| 2007年3月 |
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北海道大学病院皮膚科 講師 |
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| ●専門 |
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薬疹、再生医学、アトピ—性皮膚炎 |
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