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| 私は平成元年東北大学医学部卒の皮膚科医です。現在、日本皮膚科学会において「皮膚科の女性医師を考える会」のメンバーであり、また東北大学皮膚科の医局長であることから、この機会に女性医師問題について考えていることを個人的に記してみようと思います。 |
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| 女性医師問題というと出産・育児による休職・離職という問題に目がいきがちですが、その根底に医師の地域格差・勤務医不足という現代の医師問題を抱えていると思います。 |
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| 現在、皮膚科学会における女性医師の割合は43%と、その他の診療科と比較しても高く、45歳以下では57%、30歳以下では70%と女性の割合は年々増加しています。キャリアの途中で休職や場合によっては離職の可能性のある女性医師の増加が医師不足の原因のひとつになっているのは否定できません。女子医学生が少なかった時代は、バッファーとなる男性医師を多く雇い途中離職のリスクの大きい女性の入局を制限すればよかった。しかし現在は女子医学生の割合も、(東京女子医大は別として)大学によっては5割近くになっています。女性の入局を断るなど時代錯誤、男女差別的な行為はありえないし、もはや少数派ではない女性医師の力はぜひとも必要です。 |
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| 大学病院の後輩の女性医師をみていると、彼女達は一般に勉強熱心でよく働きます。しかし、ある時点(多くは、大学院卒業か専門医取得)を過ぎると、家庭中心になってしまうか、夫の転勤により医局を離れ、その後は第一線を退く女性医師が近年目立つように思います。男性医師と結婚している女性医師は、収入のために働くという必要性が(多くは妻が専業主婦の)男性医師より少ないため、あるいは、一般に女性は権力的な上昇志向が男性よりも少ない?ため、仕事を続けるための動機づけ、モチベーションが必要になるのではないかと思います。逆に、仕事が続けにくい理由があれば、容易に離職することもあり得ます。 |
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| 若い女性医師の皆さん、どうして医師になろうと思って医学部に入学したのですか?医学博士や専門医取得は、医学部に入ったときの最終的な目標ではなかったはずです。女性として、人生のスケジュールの中で、ある時期に妊娠、出産、育児のために、仕事をスローダウンせざるを得ないことはしかたがありません。また、その時期の医師は皆で応援しサポートしていくべきだと思います。しかし、女性医師の皆さん、専門医取得まではがんばるけど、その後は私生活重視でいきたいではなく、一時的に自身の時間捻出が困難な時期がたとえあったとしても、長い目で見て、人生の中で仕事を継続させていくことを考えてみませんか。医師となり皮膚科に魅力を感じ皮膚科医を志した女性には、その力を十分に発揮して欲しいと願います。 |
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| そうは言っても、医療をめぐる問題は以前よりはるかに深刻で、皮膚科も例外ではありません。患者の高齢化により合併症のある入院患者は当たり前、重症の皮膚科疾患患者は大病院に集中するため、入院患者を持つ皮膚科医の負担は増しています。そして、当直のみならず重症患者では昼夜を問わない呼び出しに応じる必要があり、病棟医は疲弊しています。このような状況が改善されない限り、外来勤務のみ、当直や時間外勤務なしという勤務形態を望む医師が男女を問わずに増加していき、病棟も診る勤務医の不足をまねくのではないでしょうか。女性医師だけの問題ではありません。 |
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| 女性皮膚科医師問題を考えることは、今後の皮膚科医療を考えることに他なりません。将来の皮膚科の医療と皮膚科学のために、今、真剣に討議して、改善していくことは早急に取り組んでいく必要があります。 |
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| 菊地 克子 |
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| 1989年 |
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東北大学医学部卒業 |
| 東北大学皮膚科教室入局、東北大学医学部附属病院皮膚科 |
| 1990年 |
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山形市立病院済生館皮膚科研修医 |
| 1991年 |
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東北大学医学部附属病院皮膚科 |
| 1993年 |
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宮城県石巻赤十字病院皮膚科 |
| 1994年 |
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Foundation for Basic Cutaneous Research(president: Dr. Albert M
Kligman,米国Pennsylvania州)研究員 |
| 1997年 |
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東北大学助手(病院・皮膚科) |
| 2004年 |
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10月から現在 東北大学講師(病院・皮膚科) |
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