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| わが国の国民医療費は右肩上がりに増加しており、平成17年度には33兆1,289億円、前年度と比較して1兆178億円、3.2%の増加となった(厚生労働省HP http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/05/kekka1.htmlより)。このような背景のもと、経済財政諮問会議は、平成19年6月に今後5年間かけて社会保障関係費を1.1兆円削減するなど、極めて厳しいエアロビクスポイントを設定した。この金額は、医療費に換算すると年間に8,360億円削減させる計算になり、その施策として生活習慣病対策、平均在院日数の削減とともに後発医薬品の使用促進などが提案されている。後発医薬品の使用促進は時代の流れとしてある程度は受け入れざるを得ないが、医療現場の薬剤師は後発医薬品導入を検討する前に薬物療法の現状を振り返ってみていただきたい。 |
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| たとえば、患者が入院時に持参した医薬品(いわゆる持参薬)を調査していると、薬によって残数に著しいバラツキがあることに気づく。すなわち、服薬コンプライアンスは必ずしも守られているわけではなく、むしろ正確に服薬している患者が極めて少ないことにわかる。一方では、自宅に服薬していない薬を溜め込んでいるにもかかわらず、毎回同じ薬が決まった日数分処方されて持ち帰っている患者も存在する。よくよく話を聞いてみると、“これを飲むと胃の調子が悪くなる”などといった副作用を理由に服用していない現状を医師に言い出せないでいたりする。このような医薬品のムダを紹介すると枚挙に暇がなく、正しい医薬品情報から患者に最も適した医薬品を提供し、服薬指導を充実させることが薬のムダをなくすことにつながり、最終的にコスト削減につながるのではないだろうか。 |
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| 筆者らのグループは、疾患によっては漢方薬を応用することによって薬物療法にかかわるトータルコストが削減され、経済的に優位になることを実証化し報告してきた。例えば、鉄欠乏製貧血に対する当帰芍薬散の有用性を鉄剤と比較した結果、有効性、安全性、経済性のすべての面で当帰芍薬散が優位となった事例、風邪症候群に対して漢方治療を実施した場合、西洋薬で治療した場合と比較して服薬期間の短縮、薬剤費の縮減につながった事例など、漢方薬の医療経済効果に関する報告を重ねてきた。もちろん、すべての疾患について漢方薬が優位になるわけではなく、日常臨床に漢方薬を上手に応用することによって、薬物療法の効率化が可能であり、医療従事者はこのことを十分に理解する必要があるのではないだろうか。特に、薬剤師は医薬品の専門家として、病院内、薬局内に蓄積された医薬品の使用実態に関する情報を駆使して、独自の医薬品情報を積極的に発信し、薬物療法の適正化に貢献してほしいと願っている。 |
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| 赤瀬 朋秀 |
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(あかせ・ともひで) |
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| 1989年3月 |
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日本大学理工学部薬学科 卒業 |
| 1989年4月 |
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慶應義塾大学病院 薬剤部 研修入局 |
| 1989年9月 |
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北里大学病院 薬剤部 入局 |
| 1997年1月 |
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同・病棟薬剤管理室主任 |
| 2000年12月 |
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北里大学病院退職 |
| 2001年4月 |
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日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科 入学 |
| 2003年3月 |
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同大学院修了 MBA(経営学修士号)取得
博士(臨床薬学)取得 (北里大学) |
| 2003年5月 |
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社会福祉法人 日本医療伝道会 総合病院 衣笠病院 薬剤科長 |
| 2004年7月 |
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社会福祉法人 日本医療伝道会 総合病院 衣笠病院 薬剤部長 |
| 2007年7月 |
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済生会横浜市東部病院 薬剤センター マネージャー
東京薬科大学客員教授、明治薬科大学客員教授、
慶応義塾大学医学部学外講師、共立薬科大学大学院非常勤講師、
日本大学大学院グローバル・ビジネス研究科非常勤講師 兼務 |
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| ●所属学会 |
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和漢医薬学会(評議員)
日本東洋医学会(神奈川県部会役員)
日本医療経営学会(評議員)
日本医薬品情報学会(幹事)
日本医療薬学会(認定薬剤師、指導薬剤師) |
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他、 |
日本病院管理学会、ISPOR(国際医療経済・アウトカム研究学会)、
日本薬剤疫学会、日本疫学会、日本医療バランスト・スコアカード研究学会、
日本抗加齢医学会、日本緩和医療薬学会 |
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| ●所属団体 |
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日本病院薬剤師会 学術委員会 委員 |
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同 学術第5小委員会 委員長(~平成19年3月)
同 学術第9小委員会 委員 (平成19年4月~) |
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神奈川県病院薬剤師会 理事 |
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同 ファーマシーマネジメント委員会 委員長 |
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財団法人日本医療機能評価機構 薬剤安全部会 委員 |
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| ●専門分野・興味分野 |
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薬剤疫学、医薬品情報学、医療経済学、医療経営学、経営戦略論、漢方薬理学 |
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| ●著書 |
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薬剤師のための糖尿病服薬指導マニュアル(共同執筆):南江堂 1998年
薬剤師のための漢方(共同執筆):日本フィルコン 2001年
漢方は女性の健康をたすける(共同執筆):岩波書店 2005年
薬局経営読本(共同執筆):エルゼビア・ジャパン(株) 2005年 他 |
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